認定NPO法人 自然環境復元協会 Association for Nature Restoration and Conservation, Japan

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創立30周年記念のご挨拶

「創立30年にあたり」

 理事長 石川 晶生

 

 自然環境復元協会(NAREC)は創立30周年を迎えます。このことは大変に意義深く、大きな節目の年となるため関係者が一堂に会する記念行事を計画しておりました。しかしながら現在のCOVID-19の拡大防止に配慮した議論を重ね、ホームページとニュースレターでの実施との結論にいたりました。

 この協会は杉山惠一先生が初代理事長となって1990年に設立いたしました。その際にはさまざまな著名な方々にも関わっていただきました。環境再生医の資格認定プログラムを立ち上げたことにより、現在資格認定校約40校、有資格者約6,000名と増え続け、さらには「認定NPO法人」の認定も受けることができました。定期的に研究発表会も行われ、「実践的活動と研究・教育」との両輪で着実に歩んで来たのです。

 二代目理事長として惠小百合氏がその意志を継ぎ、今後の協会のあり方に尽力されました。その後は、加藤正之氏が三代目理事長として協会を引継ぎました。ふるさと創生や日本各地の自然環境の復元活動などに精力的に取り組まれていたさなかに病のためにかえらぬ人となってしまったのです。その後の2016年から加藤氏の残す在任期間を私が引き継ぐこととなり、現在に至っております。

 自然は私たちヒトにさまざまな資源を与えてくれますが、私たちがヒトとして生きていくための豊かな精神活動の原点としても密接につながっているのです。自然と共に生きていくことは、人間としての心の優しさを生み出すことにもなっているのです。将来大人になる子どもたちが自然の中で遊び、活動し、いろいろの経験をすることの重要性は、今後のさまざまな実践により検証されていくでしょう。もう一度初心に戻って、「内なる自然・外なる自然」を理念として掲げ進んでまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

『自然環境復元の技術』に市民権

本協会設立時の理事・現顧問 進士五十八(福井県立大学長/東京農業大学名誉教授・元学長)

 

 朝倉書店から『自然環境の復元技術』を出版したのは1992年のこと。当時静岡大学教授であった杉山恵一氏と当時東京農業大学教授であった私の編著である。杉山さんとはご子息が農大林学科に在学したり、私が市から依頼されて計画した「水緑都市モデル・三島」(国土庁)として、三島熔岩と湧水を生かした水上プロムナード、源兵衛川親水公園等を指導していたこともあって三島市のご自宅を訪ね奥さまと歓談したり、杉山作のペーパークラフト面を頂戴したりという関係であった。

 現NACS-J(日本自然保護協会)の役員もしていた私に、自然は復元できるというのは自然破壊に免罪符を与えるようなものだからマズいと言われもした。私は当時の日本の海岸線を自然海岸、半自然海岸、人工海岸に3区分して日本地図を描いてみた。自然海岸を実線で図示すると、日本列島は輪郭がボロボロで地図にならない。だから、自然環境の復元や再生が不可欠だと図を雑誌に発表した。河川行政でも近自然工法や多自然工法が言われるようになり、横浜市の小学校の校庭にトンボ池・Biotop運動を森清和氏らがはじめたり、少しづつ理解されるようになった。この本の初版は500部で値段が割高だったわりには版を重ねた。国も自然再生推進法を制定(2002)し私は後、本法に基づく自然再生専門家会議委員長となって「小さな自然再生」を提案したり、これを支える人材をと日本緑化センターにおける「自然再生士」の資格認定委員長を引受けた。私は自然再生士をnature restoration promoterとネーミング。その総合力を期待している。

 名古屋(2010)での生物多様性条約締約国会議(COP10)でアピールするSATOYAMA Initiativeの政府方針は私が座長でまとめたが、今やBiodiversityもSDGSも常識となり、日本政府もようやくカーボン・ゼロに舵をきった2020年、「自然環境復元協会」が設立30周年を迎えるのも意義深い。関係各位のご努力に敬意を表したい。



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